今回の「頭痛」の症状について

10年以上前から、疲労が溜まったり、天気が悪くなると後頭部に痛みが出現。

病院では脳のMRIなどを撮影したが、異常はないため頭痛薬と、筋肉を緩める薬を処方。

頭痛薬はしばらく同じのを使うと次第に効かなくなっていたため、

何度も種類を変えて対処していたとのこと。

来院初日も、痛みがわずかに出ており、いつもはこれからひどくなる前兆のような状態だった。

患者さんの来院までの経過

今回の症例の方は非常に経過が長く、なんと10年以上（！）も頭痛に悩んでいる方でした。

ひどい時は起きたときから頭痛があり、吐き気などはないものの、

枕などが当たってるだけでも痛みが強くなるため、上向きでは寝れない時も。

病院での検査では全く異常が無いため、脳腫瘍などの心配はなく安心はしたようですが、

時間の経過とともに、症状は強くなっていく一方だったそうです。

痛み止めの薬も最初のころは効果が良く出ており、頭痛が出ても飲めば落ち着くため、

様子を見ていたようですが、

次第に同じ薬が効かなくなる👉薬を変えて対応

を繰り返していましたが、今までで数種類変わっていたとのこと。

テレビや雑誌で、「鍼灸施術が頭痛に効果がある。」と見つけ、

調べて当院のホームページへたどり着き、来院されました。

当院での病態把握と、施術の方針

今回の方の場合、経過が非常に長く、最初のきっかけなども分かりませんでした。

仕事はデスクワークと営業で動き回ることもあり、

デスクワークだけをする日に痛みが強くなるというわけではないとのこと。

大体の頭痛の場合は、首や肩の凝り、眼からの刺激（パソコン画面や携帯画面など）が、

頭痛を誘発させるケースが多く、それに対するアプローチをすれば軽減していきます。

ポイントは、「疲れがたまると決まって頭痛が強く出る。」ということでした。

また、肩や首のこりはある程度ありましたが、

特に強かったのが「顎周辺のこり」と、「頭皮の異常な固さ」でした。

脈をみた時点で、脈が非常に弱く、

「免疫力が著しく低下している状態。」

で、これは、頭痛に対する自己治癒力が落ちてしまっていることが分かります。

※病院での血圧などの脈とは違い、東洋医学的に、手の感覚で脈の状態を見極めていきます。

薬を使い続けていくとこのような状態になる方が多く、

薬はあくまでも、「痛みをその時に止めてあげる。」

ことに特化しているため、「痛みの原因を取り除くわけではない。」ということ。

使い続けているうちに、自分で頭痛を抑える機能が低下してしまっているということです。

だから、頭痛が少しでも出ると、非常に症状が強く感じます。

疲れると体本来の治癒力が落ちるため、余計に痛い。を繰り返していました。

また、顎周辺や頭皮（特に後頭部）の硬さは、三叉神経や後頭神経といって、

顔や頭の神経の流れを悪くしてしまいます。

また、流れが悪いと神経の周辺に炎症が起きやすくなり、

「三叉神経痛（さんさしんけいつう）」や、「後頭神経痛（こうとうしんけいつう）」

という病態へ発展していきます。

今回の患者さんの場合は、後頭部に痛みが集中しており、

「後頭神経痛」という状態になっていました。

頭痛かと思っていたら、神経痛だったということです。

天気が悪くなると、自律神経の乱れが出て、神経が過敏になります。

そのため、天気が悪い時にも頭痛が頻発していたということです。

なので、

鍼灸施術にて免疫力や自己治癒力を高めるため、体質的な根本改善と、

顎周りや頭皮の硬さを取り、神経周囲の炎症反応を取っていくように施術を開始しました。

施術後の経過

今回の方は経過が長いため、しっかりと体質を改善させるためにも、

医学的には3か月以上必要な旨をお伝えしました。

ただ、カウンセリングをした時の最初の説明で、痛みの原因が本人も納得していただけたので、

「痛みが取れるなら頑張って通います！」とのことでした。

（非常にありがたいお言葉でした、ありがとうございます(^^)/）

それから1週間に1度の施術を続け、

体質的に落ちてしまっている免疫力（自己治癒力）の向上、

神経の炎症を誘発してしまっている顎や頭皮、肩首や背中へのアプローチを、

全身のツボを使って改善させていく施術を継続しました。

次第に、初診時にみられた弱くなっていた脈が強くなって、4回ほど施術をするうちに、

頭痛の頻度や痛みの程度が軽減してきていました。

この辺りから薬を使うことが減り、

副作用で眠くなったりしていたのが減ったので、「仕事への意欲も湧いてきた！」

とのことでした！

その後も通院を続け、痛みが出る頻度も週に1度程度に減っています。

痛みが出ても、痛みの強さが最初が１０だとすれば３～４程度とのことで、

このまま継続していけば順調に改善していくかと思われます。

当院オープン初期（2023年9月上旬）から通院していただいているため、

現在でちょうど2か月程度の経過ではありますが、

10年以上の長い経過の頭痛が軽減している症例です。

今後とも、しっかりと体質を見極めてする鍼灸施術と、適切な診断をすることで、

ただの痛みかと思っていたものが神経痛であったりする場合もあります。

長年の痛みでも、あきらめずにぜひ、風香る鍼灸院へご来院下さい！

しっかり改善していく施術を提供していきます！

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