「慢性的な腰痛」症状改善例 広島市西区 30代男性

・症状について

10代後半から腰痛が出現、きっかけは部活でサッカーをしていた時に、

ぎっくり腰のようになり動けなくなってから。

その時は1週間ほど安静にして、近所の整骨院で数回施術を受けて痛みも引いた。

しかし、それからというもの、数か月に1度は最初の時のような強い痛みに悩まされ、

段々と強い痛みが出る間隔が短くなってきた。

今では慢性的に痛みを感じ、無理をするとその痛みが強くなるため、

趣味で続けていたサッカーやフットサルもしなくなってしまった。

・患者さんの来院までの経過

今回の方は、学生時代に腰を痛めてから、継続的に色々な施術はしていたそうで、

整骨院や鍼灸(針灸)施術、他にも整体など、数件はまわったとのことでした。

病院にももちろん行っており、レントゲンなどの検査もしたが特に悪い場所は無いとのこと。

「痛みが強いならペインクリニックでブロック注射というのもある。」とそこでは教えていただき、

ブロック注射が一番よく効いたそうで、4年ほど前からは月に1~2回ほど、

ペインクリニックでブロック注射をしているようでした。

注射をするとしばらく痛みが消え、

そこから慢性的な痛みはあっても、そこまで強くならないのが続いたそうでしたが、

ここ半年はそれでも痛みが抑えれなくなり、当院を見つけて下さいました。

初診時は日常動作は大丈夫とのことでしたが、

腰を捻ったりすると痛みが出るので、自身でストレッチなどをしすぎても悪化してしまい、

趣味であったサッカーやフットサルはできないのが悲しい。とのこと。

・病態把握と、施術の方針

今回の方はきっかけがはっきりしていたため、原因を絞ることが容易にできました。

『学生時代のぎっくり腰』

が、原因となり、

痛めた筋肉や筋膜が硬くなり、それが慢性的な痛みを引き起こしていました。

ぎっくり腰のような急に痛くなるものが原因の場合、

東洋医学的には、「於血(おけつ)」といって、

組織の炎症や悪い血がずーっと溜まってしまっていると判断します。

また、

脈診をすると「腎」という、

いわゆる腎臓の機能が現れるところが非常に弱くなっていました。

腎臓の機能が落ちるため、「腎虚(じんきょ)」という状態になります。

腎臓と腰は密接な関係があると考えられているため、

「腎」の機能が落ちる👉腰回りに症状が出やすい。

ということが分かります。

他にも、突発性難聴や骨の変形の疾患(分離症や、変形性膝関節症など)も、

「腎」という機能の影響と捉えます。

整骨院や整体などでも姿勢に関してのアプローチはしていたようですが、

体質的な問題である、「於血」に関してのアプローチは鍼灸でないと難しいため、

根本の解決にならなかったということですね。

ブロック注射に関しては、「強力に痛みを止める作用」があるため、よく効いたと感じたのでしょう。

しかし、薬は次第に体が慣れてしまい効果が出にくくなるため、

長年の経過により現在の状態まで発展してしまったようです。

また、一番最初に痛めた際、整骨院へは、数回のうちに痛みが取れたので、

それからは通院をしなくなったとのこと。

これが実は非常にまずく、痛みは「ぎっくり腰」の場合は1週間もあれば引いてきます。

しかし、痛めた筋肉がしっかり治るのには1~2か月は必要で、

その時にしっかりケアもできれば、繰り返すことはあまりないことがほとんどです。

痛めた場所は痛みが引いた後に「瘢痕化(はんこんか)」といって、非常に固くなります。

この「瘢痕化」を放置しておくと、

ずーーっと硬いまんまなので痛みがとり切れなくなってしまうのです。

時間が経過するとその固さは次第に強くなりますが、

そのあたりも鍼灸ではしっかりアプローチができるため、

痛めた経緯から今までの痛みが続いている原因、

体質的な問題をお伝えし、施術を開始しました。

幸いにも、まだレントゲンなどで異常が出ていないため、

関節や骨・椎間板の問題ではない状態でした。

まとめると、

東洋医学的な体質改善(腎虚と於血の改善)+「瘢痕化」を起こして硬くなっている組織へしっかりアプローチする施術。

を開始です!

・施術後の経過

最終目標はサッカーへの復帰ですが、

まずは捻ったりするだけでも痛いほど硬くなっている筋肉へのアプローチが重要です。

それと同時に、「於血を取る」、「弱っている腎の機能を上げる」ツボも使い、

少しでも早い改善を目指していきました。

結果、5回ほどの施術を続けるうちに、日常動作での痛みは引き、

ストレッチや関節の動きをつけていく施術も継続して行いました。

週に1度の施術を10回ほど続けると、腰の前屈や後屈でもほぼ痛みが無くなり、

「ブロック注射へ行くこともなかった!!」とのこと!

現在はフットサルとサッカーを、週末に始めたそうで、

今のところは痛みも感じなく過ごせているようです。

昔痛めたところがクセになって残る「瘢痕化(はんこんか)」ですが、

特に効果的なのが、「灸頭鍼(きゅうとうしん)」というアプローチ法です。

鍼(針)による刺激+お灸による刺激を同時にできるため、

硬い組織をやわらかくするのには非常に効果的です。

患部も温かくなり、施術中に寝てしまうほど気持ちいい刺激です(^^)

10代後半から、実に15年程の長い腰痛でしたが、

鍼灸による体質改善をベースに施術をすることで、しっかりと改善した症例でした!

目標であった運動への復帰も思っていたよりも早くできて、大変うれしく思います。

現在は姿勢などのアプローチへ重点をうつして施術を継続しています。

東洋医学的(中医学的)な体質の根本改善と、

西洋医学的に姿勢や筋肉の状態へアプローチを同時に行い、早い改善が見られた症例でした!

〒730-0806

広島県広島市中区西十日市町2-2 APEX免出101 風香る鍼灸院

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