「食後の眠気と、慢性的な肩こり」の改善症例 広島県広島市 会社員 40代 女性
今回は『日中の強い眠気と肩こり』の改善症例をご紹介!
今回の症例は『首肩のこり、疲れ、頭痛』で初期はご来院され、当院で実際に改善した方の症例です。
来院初期は、慢性的な首肩こりや、歯ぎしりによる頭痛がメインの症状でした。
そして、慢性的な疲労感と、傾眠(けいみん)といって、日中でも食後などに眠くなる症状もありました。
過去に鍼灸の経験があり、効果的だった感覚があったため、
当院のホームページを調べ、ご来院されました。
当院で行った病態把握と、症状に対する見解
まず、症状の原因を絞るために、徒手検査といって、
簡易的な検査をして、どこが悪いのかを特定します。
慢性的な首肩のこりでも、噛みしめによる頭痛の場合でも、
首や肩の関節の状態が悪かったり、神経根といって、首から出る神経の根元を圧迫することで、
強い首肩のこりや、頭痛が出る場合もあるからです。
首肩のコリは、
ありふれた症状ではあるものの、常に細心の注意を払って施術を組み立てます。
今回の方は、
肩の動きに問題はなく、首の神経などの問題もありませんでした。
基本的には、噛みしめも首周辺の凝りが原因になることが多いです。
筋肉のそばに、赤いのは動脈、青いのは静脈、黄色いのは神経です。
基本的には、動脈で栄養を運び、そのまま静脈に入って、それで老廃物をリンパ節などに
送ることで、悪い物が溜まらないよう、常に良好な状態を保たれています。
この正常な機能が、慢性的な不良姿勢で凝ったり、女性の場合はホルモンバランスの変化により、
老廃物(炎症を引き起こす物質)が溜まってしまうことで、繰り返しの症状を出してしまいます。
また、『首のこりが顎関節と関係する。』というのは、
『三叉神経(さんさしんけい)』という神経が、肩にある僧帽筋から繋がるため、
神経の反応により、首肩がこると顎がしんどくなる(もしくは噛みしめが強くなる)
逆に、顎や口腔内に何かがある場合、(歯根の治療や歯牙の異常、虫歯など)
首肩に強い症状が出るケースもあります。
そしてもう一つ、
『体の疲労感と眠気』に関してです。
これは、東洋医学的には『脾虚(ひきょ)』といって、胃腸の疲労があったり、
『湿邪(しつじゃ)』と呼ばれる、いわば湿気による水分代謝の異常であると考えます。
これは、体の疲労感とも直接の関係を持ちます。
(胃腸が弱くてエネルギーが作れないみたいなイメージ)
西洋医学的には、『血糖値』が関係します。
聞いたことがあると思いますが、『インシュリン』というのが強く関係。
食べ物を食べると、体はブドウ糖によって体を動かすエネルギーと作り出します。
ただ、胃腸の機能が低下していたり、インシュリンを出す膵臓が疲弊をしている場合、
血糖値スパイクと言われる状態に。
食べたときにっがーーんと血糖値が上がり、その後の低下もっがーーんと、
まるでジェットコースターのように変化する状態です。
この差が大きいと、体は休みたくなるため、食後などに非常に眠たくなるんです。
簡単に言うとこんな感じですね。
その病態も鑑みたうえで、施術方針を組み立てていきます。
この2点を留意して、
鍼灸施術では、
○慢性的にある、首・肩回りのコリを取り、噛みしめも含めた施術
○胃腸の状態を整えることにより体力を回復させ、『脾虚(脾虚)』に対する施術をして、
『傾眠(けいみん)』と呼ばれる、日中や食後に非常に眠たくなってしまう病態を解消すること。
をしていきます。
今回の方の首肩コリは、
徒手検査ではあまり異常がみられないため、
頚椎や神経痛による痛みでは無いと考えれましたので、
脈診や舌診により、体質を見極めていきました。
上記のことを加えて、東洋医学的な診断でも、
・『脾虚(ひきょ)』:胃腸の機能が落ちることにより、上記の症状が出る状態。
・『気滞(きたい)』:肩のコリ(どちらかというと、コリよりも肩周りがすごく張ってしまう状態。)
が強く絡んでいることが分かりました。
それに対応するツボを使いつつ、頸部、肩部、背部などをゆるめるための施術をします。
当院での『慢性的な首肩コリ、疲労感と日中や食後の眠気』に対する鍼灸施術
頚椎を後ろから見た解剖のアプリ図
『慢性的なコリの場合は、別の原因が複数重なる場合が多い。』です。その状態をそれぞれを取るための治療を、鍼灸では効果的に行います。
それと同時に、東洋医学(中医学)的にも診断を行うことで、
より効果的な施術の方法を導き出します。
このように、東洋医学的・西洋医学的の両面から鑑別をすることで、
より良い方法を導き出して、改善を早くするように鍼灸施術をしていきます。
首や肩の患部の施術もとても大切ですが、東洋医学的に『体質的な改善』をすることで、より早く効果が出せます。
整体などでのアプローチでは、中々難しい部分であるために、
『寛解はするけどまた元に戻る』
というのを繰り返してしまう場合が多いです。
首や肩のツボも必要ですが、
体質改善をするために、手足や背中周囲のツボを多用します。
特に『仕事中でも眠気がある・疲労感が抜けない』などの症状は、
しっかり体質改善をする必要がありますが、
逆に言えば、その体質さえ改善してしまえば、症状はほとんど出なくなります。
今回の症例の方は、
1~2週に1度の通院を続けていただき、
8回目を終えるころには、今までのような眠気はほとんど出ず、頭痛が出るほどの首肩のコリも軽減!!
このように、『慢性的な肩こり』の病態でも、
しっかりと体質改善も行うことで、
症状はほぼ消失し、
現在では日々の疲労を取ることや、
その他の症状に対しての施術を続けています!
疲労は溜まっていくものですから、
日頃のケアとして鍼灸施術を選んで頂くこともとても大切です(*^▽^*)
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